友人に勧められてなべを買ったけど、会員を勧誘するってむずかしい・・・。

 一緒のパートの友人から「使いやすいなべがあるから」といわれちょっとほしいな、と思うような説明を受けた。でも、しがないパートの身。いいなべを買ってもそれほど料理が得意じゃない。しかもふつうのなべよりかなり高いし・・・。
 と迷っていたら、「会員になると商品が1割引になるし、他に5人にこのなべのセットを売ったら、自分のなべがただになるばかりじゃなく、手数料も入るのよ。パートしてるより効率がいいのよ。」といわれた。

 そういうことなら、と会員になって、他に5セットなべを買ったんだけど、そんなに簡単に売れないし、そのうち主人に気づかれて「それって、マルチだろう。」といわれた。
 簡単に考えていた自分もばかだけど、何とか解約できないだろうか。 (30代  女性)


 これはやはり「マルチ商法」です。相手からクーリングオフ制度の説明を受けたか、文書を交付されてから、20日以内であればクーリングオフが適用になります。

 商品を購入するか、あるいは一定の取引料を払って会員となり、新たに会員を勧誘すればするほど地位が上がり勧誘した会員の販売した商品の利益から利益の分配を受けられるという商法を「マルチ商法」といいます。

 会員が増えれば増えるほど利益が出る、というのがまさに落とし穴です。一人が5人を勧誘し、さらにその5人が別の5人を勧誘するとしたら、13代目には2億4414万625人の会員ができてしまうことになります。
こういったマルチ商法は、いずれ破綻がくるのが目に見えています。

 また、商品が売れそうもないものであったり、勧誘した人との人間関係がうまくいかなくなるという危険もあります。結局、取引料や入会のために購入した商品代金を支払っただけということに終わることが多いのです。

そこで特定商取引法では、マルチ商法を「連鎖式販売取引」として規制をしています。

@会員を勧誘するときには、連鎖販売であることの内容を知らせ、契約時には、この内容及   びクーリングオフについて記載した書面を交付すること
A書面受領の日、あるいは商品代金を支払ったときは、商品を受け取った日から20日以  内にクーリングオフができる。

というわけです。

 クーリングオフが使えないときでも、マルチ商法の危険性に変わりはありませんから、公序良俗違反による契約無効、不法行為による損害賠償の請求ができる場合も考えられます。

 また、勧誘のとき事実を告げなかったり、強引な勧誘だったりした場合、消費者契約法に基づく取消しも可能となります。

 いずれにしても、楽して儲ける、という話は落とし穴が多いものです。少しでもあやしいなと思ったらお金を払う前に誰かに相談してみましょう。




マルチ商法の場合、勧誘に嘘がある場合や強引な場合が少なくありません。契約に至った経緯をよく思い出し、消費者契約法による取消し事由に該当するかどうか、検討してみましょう。マルチの場合、消費者が販売員になるわけですが、無店舗個人であり、特定商取引法の適用対象となる場合には、消費者契約法も適用されると考えられます。


                                        
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