不倫の慰謝料

不倫の慰謝料

結婚して12年目です。
最近になって、主人が勤務先の部下である女性と不倫関係を続けていたことがわかりました。子供や今後の生活のために、離婚するつもりはありませんでしたので、不倫関係を清算してもらいました。

しかし、主人が相手のために使った食事代や、多くはないようですがプレゼント代など、手元にあれば家計も助かったのに・・・と思うと悔しくてたまりません。何より精神的に深く傷つき、夫との関係の修復にもつらい思いをしています。

相手の女性に対しては謝罪を要求したいのです。不倫相手に対して、慰謝料を請求することができますか。   (40代  女性)

婚姻関係にあるものは、貞操義務をはじめとする夫婦関係を円満に継続するための各種の義務を負っていると考えられます。したがって、不倫行為によってこれらの権利を侵害されたこととなり不法行為とみなされ、これによって受けた精神的な損害の賠償(慰謝料)を求めることができます。

何をもって法律上の不貞行為と言われるかというと、配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて配偶者以外の異性と性的関係をもつことです。これは純粋な恋愛感情にもとづくかどうかは問題ではありません。
性的関係が1回きりでも不貞といえるのかというと、裁判上の離婚原因にはなりにくい、というだけで、もちろん不貞行為になります。

相手の女性にこの請求をする場合、問題になるのは金額ですが、
 ・不倫によって夫婦の婚姻関係が破綻したか。
 ・家庭が崩壊したか。
 ・離婚に至ったか。
 ・積極的に誘惑したのはどちらか。
などの諸事情を考える必要がありますが、その他にも、交際期間や性的関係の回数、結婚生活の年数が配慮されますし、なにより、不倫相手の現実的な支払能力も考慮すべきでしょう。

不倫の慰謝料請求については、離婚に至ったかどうかは慰謝料金額を左右する要因ですが、離婚しなくても請求することが出来ます。

裁判で認められた慰謝料は50万円から400万円までが比較的多く、その中でも200万円前後が多いとの報告があります。

ただし、慰謝料を請求できない場合もあります。
 ・夫婦の婚姻関係が夫の不倫行為と関係なくすでに破綻していて、単に戸籍上の夫婦に過ぎなくなっている場合(別居期間が長いなど)
 ・夫が結婚していることを隠しており、女性も過失なく夫が結婚していることを知ることができなかった場合
 ・暴力や脅迫をもって女性との関係を持った場合
には、相手女性も被害者といえるので、慰謝料を請求することはむずかしくなります。

裁判となると、弁護士の先生を頼んでの時間もお金もかかる覚悟が必要です。
そこで、まずは内容証明で、妥当と思われる金額の請求をしてみましょう。弁護士に依頼したとしても、やはり内容証明による慰謝料請求が最初の一手となります。様子を見る、相手に圧力をかけるという意味でも、有効な手段です。

ただし、内容証明には強制力はありません。それで請求したからといって、必ず反応があるとも限らず、相手によっては無視される場合も考えられます。場合によっては、次の手を打とうにも打てなくなる状況もありえますので、ご自分で作成される場合でも、感情的にならず、内容に注意する必要があります。

また、相手が既婚者である場合、内容証明を出すことで相手の配偶者に気づかれてしまうことも想定されます。その場合、ご主人に対して相手男性の妻から慰謝料の請求が行われるリスクもあることは十分承知しておいてください。

相手が慰謝料の支払いに応じる場合には、示談書等の契約書を作成し、証拠として双方で保管しておくことをお勧めいたします。これは今後のトラブルを防ぐ有効な書面となります。
示談書等の作成についてもご相談をお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。